「雨が降ります」

 梅雨なので当たり前ですが、毎日毎日、雨ばかりです。
 晴れたときにしか出来ない作業もあるので農作業の順番を考えたり、ズブぬれになって田んぼから上がって来たりと、空模様に振り回されています。合羽は手放せません。かといって蒸し暑いのでずっと合羽を着て作業するのは大変です。
 どんよりとした天気にイネは元気です。太陽がちょっと隠れただけで気が滅入ってしまう私とは違うものだなあと感心します。
人間は窓を開けたり閉めたり洗濯物を出したり取り込んだりと、雨に右往左往。からっとした夏が早く来てほしいです。

 日本は、アジアモンスーン地域なので世界でも屈指の雨の多い国だそうです。
 だいたい同じレベルの緯度を西へ西へ進むと、中国の黄河流域、中央アジア、中東アラブ地域、北アフリカと、乾燥した砂漠が続いていきますが、なぜか日本だけは雨が多い。温暖な海流、地球の自転、偏西風などど理由はいろいろあるようですが雨が多く湿度の高い気象条件は、もっとずっと緯度が南の東南アジアに似ています。
 ただ日本は南北に長く地形的にも多様です。たとえば北海道には梅雨がないようですし、先日、長野県の諏訪湖のそばの方と話したら、あちらでは台風もあまり来ないとか・・・。周りが高い山々に囲まれているので、台風もよけていくのでしょうか。新潟に比べると空の色も青いと言っていました。梅雨がない北海道とか空が青い長野とか、この時期、そういう地域はちょっとうらやましいです。
 日本の降水量の多さは、梅雨と台風の両方によるので、台風が来ないというだけでずいぶん違うだろうと思います。
 そういえば長野も夏の避暑地として昔から人気ですね。

 実は新潟も、あまり台風は来ないのです。
 夏の天気は長野や富山方面から雨雲がやってくるのですが、台風は新潟に来るころには温帯低気圧に変わってしまうことが多いです。やはり高い北アルプスを越えるあたりで勢力が弱まってしまうようです。
 それで浸水だ土砂崩れだと西日本の台風被害をニュースで見る頃、2-3日遅れで 生暖かい熱風と普通の大雨がやってきます。しかし、台風が直撃しないといっても夏のあいだの降水量は全国平均と同じか多いくらいですし、そしてひとたび季節がめぐり、冬が来ると、その降水量ははんぱではありません。
 冬は風向きが変わり、北から風が吹きます。
 シベリア上空にマイナス40度の寒気があって、それが西高東低の気圧配置から日本列島に寒気が流れ込むと、新潟はもう大雪です。
 日本海を渡るときに充分に湿気を含んだ雨雲は、高い山を越えられず、日本海側に雪を降らせます。というか雪を落とします。私の住む上越市板倉区には、8mを越える積雪でギネスブックに記録されたくらいですから世界もうらやむ(?)豪雪地帯です。

 その冬に降った雪がやがて解け出し、今は田んぼの用水になっています。
 田んぼにはほぼ水が湛えられているので、湖のほとりに住んでいるようなもの・・・。といったらカッコよすぎでしょうか。
 瑞穂の国、そのまんまです。
 この気温と湿気で元気がいいのは、イネと雑草です。私もイネか雑草になりたいです。




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