「梅雨前線異常あり」

 3年前もそうでした。空は泣きっぱなし。梅雨が明けません。
 日本各地で洪水・土砂くずれが起こっているとニュースが伝えています。一方、ヨーロッパ各地では猛暑が記録的なレベルに達したと新聞が報じています。それを、地球温暖化だ、ヒートアイランド現象だ、異常気象だ、などと物知り博士が難しい議論を展開しています。
 あー、困った困った。僕はどうしたらいいのでしょう。
 日常生活レベルでは、異常気象にはただオロオロするばかり。毎日、梅雨前線が日本列島に張り付いた天気図をながめては、途方に暮れるばかりです。おもわす、このフロム田んぼも1週間くりあげて、書くこととなりました(7月26日付け)。おさえようもない怒りと戸惑いと狼狽。
 なにしろ、台風も来ていないのに、川があふれた、洪水だ、山が崩れた、土砂くずれだ、ですから、本当に信じられません。今回の長雨で被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

 この冬、新潟のこの地方は大雪に見舞われました。あまりの雪の多さに近くのスキー場がつぶれてしまうくらい・・・冗談でも、笑い話でもなく現実の話です・・・それはそれは深刻な量でした。当然、雪の消えも遅く、春の訪れも例年よりも遅かったのです。春はそれでも遅れてやってきたからいいようなものの、夏は来ません。いったいいつ来るんでしょう。どうなっちゃったのよ。
 イネは亜熱帯が原産ですから暑い夏が大好きです。気温にすると32〜33度。ところが、そんな夏が来ないのです。イネは露天で育つ植物ですから、光合成で栄養をつくって自分で自分の体を大きくします。太陽光線が大好きです。例えば大好きな天気はカンカン照り。ところがそんな夏が来ないのです。今日も降ったり止んだり、はっきりしない天気でした。最高気温は25度。例年ならば7月中旬には梅雨が明けるはず。今頃はまさに炎天下になっていなければなりません。それが気温25度の雨のち曇りですよ。こんな天気がもう半月も続いています。@異常低温A日照不足Bどんより無風、これでイネはたいてい参ります。日照不足は、5月からずっと続いています。
 昼休み、田んぼごとに平均的な生育のイネを抜き取ってきて、みんなで生育状況についての会議をしました。幸い、葉っぱの色が濃いという点を除けば、病気も全くなく、姿、形も頑丈で、健康でありました。お盆の前半には、コシヒカリの穂が出て花が咲くステージを迎えるだろうと、時期の確認もできました。生育は10日程度、やっぱりというか遅れています。ただし、その穂が「緑」と出るか「白」と出るか、それはまだ分かりません。今後の天候しだいです。それでも山間部の標高が高い地域は、ある程度の障害・病気は避けられない感じです。

 異常気象が定期的にやって来ていると思うのは僕だけでしょうか? 90年代以降、観測史上初とか、戦後何番目とか、耳にする回数が増えてません?
定期的な異常気象って正常ってこと? 正常が異常?
 3年前、2003年の夏、新潟の梅雨はとうとう明けませんでした。記憶をたどれば、全国的に記録的な冷夏となり、コメや野菜の値段も高騰したように思います。今年はどうなるのでしょうか。   
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 さて、その後・・・。
 7月30日、北陸地方も梅雨明けと発表された模様。まずは、あーよかった、と小さく胸をなでおろしています。暑い暑い夏を祈るばかりです。




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