「農薬を減らせ」

 ながいこと、秋山農場の低農薬栽培は、「慣行の5割減」といってきました。
 慣行とは、近隣の地域で普通に作っている栽培方法のことです。慣行栽培(かんこうさいばい)という言い方をします。で、それよりも、5割は使用量を減らして作っていますよ、それが秋山農場の低農薬栽培です。そういってきました。
 ところが、これ、正確ではありませんでした。
 今日、農協の発行する栽培指針なるものを見ました。
 実は、地元の農協の栽培指針よりもずっと先を走っているという意識がありまして、(・・・ちょっと偉そうで)お恥ずかしい話なのですが、普段あまりそういう種類の無料で配布されている「コメの作り方パンフレット」は目を通さないのですが、興味深い数字を見つけてびっくりしました。僕の勉強不足を、思い知りました。地元の農協は、農薬を減らした稲作を推進する、そういう趣旨のパンフレットです。3割減で「20を→14にしよう」とありました。
 農薬は、処理する回数や薬の成分の関係から、「成分回数」という数値を使って、最終的な使用量を測ります。例えば、コシヒカリの種を購入するとします。農協から普通に種を買うと、モミガードという農薬で殺菌消毒済みの種が届きます。この農薬は、処理は1回ですが、薬の成分が複雑なので、成分回数は「3」です。まだ種もまいていないうちから、すでに3です。そのほか、育苗する時期にいくつかの農薬を3回くらい・・・。こうして農薬を使うたびに、収穫までカウントしていくと、慣行栽培(つまり地域の普通の人が普通に作っている栽培)では、成分回数は20だそうです。慣行の農薬成分回数は20でした。この数字を僕は知りませんでした。
 ひるがえって、秋山農場ではどうかというと、原則として農薬は水田除草剤のみ。2〜4成分のものを組み合わせて使っていますが、さらに基準面積の使用量よりも減らして使うよう努力しています。雑草の生えやすい田んぼか、そうでないかで前後しますが、平均して成分回数は3か、もしくはそれ以下です。それから種モミは無消毒のものを取り寄せています。
 もちろん天候しだいで局地的に農薬処理をする場合もありますが、それでもせいぜい成分回数で2が加算される程度。3+2のところがあっても、平均するとやはり3に近い数字となっているように思います。
 3分の20。 3/20です。
 成分回数が2の田んぼでは、慣行の9割減。成分回数が5になってしまった田んぼでも5/20、慣行の75%減です。今まで言っていた5割減ではありません。もっとずっと低農薬だったのです。周りの農家が、そんなにも農薬を使っているとは知りませんでした。 お詫びして訂正いたします。
 そのパンフレットによると、3割減つまり成分回数14以内で、減農薬栽培になるそうです・・・。(農協は、低農薬ではなく減農薬と呼んでいます。)
 ちなみに、秋山農場の低農薬栽培は、第3者が認証していないし、書類で届け出てもいないので、非公式のものです。第3者とは、法律的な本人以外なら誰でもよく、身内でも家族でも取引業者でも、僕が社長をしている有限会社アフコでも、法律上の第3者です。そんなわけで公式の低農薬栽培ではありません。信じる、信じないも含めて、情報のお取扱いは、慎重に自己責任でお願いいたします。(←・・・・なんか皮肉たっぷり。) 




HOME

Copyright (C)1997-2006 Akiyama-farm. All rights reserved.

このホームページ上に掲載されているすべての画像・文書などの無断転載を禁じます。