「大雨」

雨が降っています。
バケツをひっくり返したように降っています。

長野県の高い山から海に向かって川が流れます。その通り道に新潟県があり、おかげさまで農業(稲作)が大変盛んです。
 新潟県内には、中山間地と呼ばれる「低い山」が沢山あります。その山から川ができて、大きな川に合流し、一緒に海に流れて行きます。
 新潟県内の「中山間地」で雨が一気に降ると、大きな川の圧力(?)や、海からの圧力(潮の満ち干きとの関係)で、自然な川の流れには、ならなくなります。
水量が不安定になり、水位が危険水域まで達すると、突然、川の合流地点や、海に近い地域なんかで堰が切れてしまうのです。
 だいたい、一年に一回くらいは、県内のどこかで川が氾濫しています。雨が急に大量に降ると、あっという間に水かさが増えるからです。

水害は、こわいです。
 新潟県内では、今年も水害が出ましたし、死傷者も出てしまいました。
 とても、いやなニュースです。
 昨年来から、毎月のように断続的にある地震のせいで(ついこの間、6月旬にも震度4の揺れがきました。)山崩れや、橋や道路の損壊の可能性は至る所にあります。
 同じ上越市の吉川区では、山間地の集中豪雨で道路が寸断し、住宅が数件孤立しました。山間地から流れてきた水が、平場(ひらば=平地)の川からあふれて、田んぼや大豆畑が海みたいになっていました。

川のそばに田畑がなく住宅が並んでしまうと、あふれた水が直接住宅を襲撃し、被害が拡大しますが、川のそばにたくさん田んぼがあると、その田んぼに水がたまって即席のダムの役割を果たします。田んぼに水があふれたくらいなら、(農産物の被害は心配ですが)人命を落とさずすみます。
 田んぼは、川からあふれた水を受け止め、海や雨の都合がよくなるまで水を溜めて、徐々に水を下流に流します。川の氾濫しやすい地域には田んぼをつくり、水のこないところに人家を作れれば一番いいのでしょうが、そうそううまくはいきません。

長江も、ナイル河も、時々氾濫しては河の水に含まれる肥沃な栄養分を農業地帯に与えてくれました。新潟県が、米作地帯でおいしいお米がとれるのには、気象条件や、土質の良さや様々な条件があってのことですが、川が氾濫することも、おいしいお米のできる一つの要因と考えると、大雨も自然の恵みのひとつと考えるべきなのでしょうが、複雑な心境です。




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