「知産知消」

 地産地消(ちさんちしょう)って、どう思いますか。
 その地域でとれたものは、その地域で消費する、それが地産地消です。新潟県内で作った野菜は、新潟県の住民がすすんで食べましょう、っていう、スローガンというか、掛け声、ですね。(地元の農業を守れ!ってことです)
 たとえば、こんなことがあります。茨城県のピーマン農場の隣に、食品スーパーが出来ました。そのスーパーで売られているピーマンは、なんと沖縄産! すぐ目と鼻の先に、ピーマン農場があるのに、沖縄から運ばれてきたピーマンがスーパーの棚には、並ぶのです。なんか、変ですよね。
 でも皆さんご存知のように、こういうことは異常事態でもなんでもなくて、日本中がこういう状態です。輸送と流通が発達したため、産地といわれるところは、どこへでも売りに行きますし、消費地といわれるところは、どこからでも買い付けます。その結果、食品売り場はすべて、日本全土から、いやいや世界中から、食べ物が集められるようになりました。
 それで最近、また「食べ物の安全性」が話題になっています。
 すごく遠いところから消費者のところへは来るので、どんなふうに生産されているのか、どんなふうに運ばれてくるのかが、わかりません。「遠い仕事、知らない生産」です。外国産は危ない、国産に限る、っていう人もいますが、僕が思うに、海外の遠い生産現場で、たくさんの農薬を使うように指導しているのは日本人ですし、国産の農産物であっても、流通の現場で、表示の偽証・詐称をしているもの日本人です。だから、外国はダメで日本はいい、なんていえないと思うんです。モラルがないのは、外国人ではなくて、むしろ日本人のほうかもしれません。
 地産地消って、すこし「鎖国」のにおいもしますので、僕は「知産知消」を提案したいと思います。「知産知消」。知ってる生産、知ってる消費です。これが一番です。
 すし屋のカウンターの発想でいきたいと思います。
 「あんたのために、つくったから」
 「よっしゃ、どれどれ、おめーの作ったもの、食ってみようじゃねえか」
 この、掛け合いというか呼吸が、「つくるとたべる」には大事ですよね。私も、カウンター越しに、食べる人と向き合いたいと思います。そして、すし屋のオヤジ的な「粋」と「頑固さ」は、いつでも持っていたいと思います。
 知産知消、どうでしょうか。

 

 



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