「コンパニオン・プランツ」

 雪が解けると、農作業はとたんに忙しくなります。
 雪囲いをはずし、農地の見回り、種の選別と消毒。田んぼにはコヌカ、畑には石灰をまいて、土作りをします。種まきが始まるまでのもろもろの準備です。

 コンパニオン・プランツ(共生する植物)に関心があります。今年の農業のテーマは、これにしたいと思います! (ん、テーマってなんだ?)
 ・・・・・とこれを書いていたら、のぞきこんだ妻に「むずかしい言葉、知ってるねえ」と驚かれました。そうですね、コンパニオン・プランツ。聞きなれない言葉です。何をかくそう、私も2ヶ月前に知ったのです。ずいぶん前から興味を持っていた考え方ですが、ついこのあいだ「共生する植物」と聞いて、おっ! これだ! って思いました。私の中で今、マイブームになっています。
 育て合う植物。簡単にいえば「混作」です。相性の良い作物を組み合わせて植える、ということです。昔なら、水田のアゼに豆を植えた、あれがそうです。最近では「果樹園にハーブ」の組み合わせなんてのもよくありますね。
 いろいろと調べると、おもしろいことが分かってきました。梅の木の下にミョウガ、もいいそうですねえ。知りませんでした。さらに、アメリカにはトウモロコシとインゲンとカボチャを「3姉妹」と呼んで、それを混植すると単独栽培よりも収穫量が上がる、という農業技術があるそうです。トマトにマリーゴールド、ピーマンにナスタチウム、ナスとニラ、サトイモと枝豆、ニンニクとイチゴ・・・・・。
 ハーブ類は害虫よけになっていますし、豆類は地力を保ってくれます。大きさや収穫時期の違うものは雑草対策になります。ふつう混植は、養分や水分、日光などを奪い合って収量を落とすと考えられがちですが、単品での収量こそ減るものの、複数の作物が収穫でき、同じ面積あたりで比べると大幅収量アップとなるそうです。そして何よりも、作物同士が丈夫に元気に育つ、農薬代がかからなくなる、地力を保てるなど、メリットがたくさんあります。 
 あらためて思うのは、田んぼでやっている水を使った稲作は、連作障害のない世にもめずらしい農法です。一年にひとつしか作付けせず(単作)、しかも、毎年それを繰り返します(連作)。畑の多いヨーロッパでは、それでは障害が出て作物が育ちませんので、マメ、ムギ、放牧などを順番にやっていきます。伝統的な農法、「輪作」です。混作は、それをさらにもっと進めたもの、と考えています。輪作や混作、田んぼに応用できないものでしょうか。日本にも、イネとムギとクローバーの混作、という技術が(細々とですが・・・)確かにあります。自然界の中では、多種多様な生物が同時に存在すること、それが本来のバランスのとれた形です。果たして同じことが、自分の田んぼで出来るかどうかはわかりませんが、もう少し勉強してみたいと思っています。雑草を目の敵にするのではなくて、雑草とイネの共生や、雑草の有効利用、または雑草を追い払う新しい作物とイネの共生・・・、そのあたりの可能性を探りたいのです。

 

 

 


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