2001年8月

「入道雲」

　「ポワワワワ〜ンン」　犬が鳴いています。
　「犬も暑いだろうなあ」　と私。
　「暑いよ。毛皮着てんだもん」　と妻。
　「ウッケォオッオオ」　今度はニワトリも鳴き始めました。
　最高気温が３５度なんて、ちっとも珍しくなくなりました。時々やってくる３６度や３７度も、なんとかやり過ごせるようになりました。皆さんのところも、今年は特別に暑い夏ではないでしょうか。
　もちろん、外で仕事をしています。さすがにこの時期は、昼休みを長目にとって、最も暑い時間帯だけは避けていますが、麦わら帽子をかぶって外仕事が基本です。水まわりをしたり、あぜの草刈りをしたり、田んぼの中の草取りをしたり、クーラーとはあまり縁のない生活をしています。いっぱい汗をかいて、ガブガブと水を飲んで・・・、夏バテにはならないものの、この生活は決して健康的とはいえないような気もします。それにしても、テレビに映る高校球児、すり鉢状の野球場のなかで投げたり打ったりしているのを見ていると、暑くないのだろうか驚異と恐怖を感じますね。一種の化け物かもしれません。
　今年、太平洋側は梅雨の時期、すごく雨が少なかったときいています。今の時期はいかがでしょうか。渇水になってはいませんか。たくさんの方から、イネは大丈夫？　とご心配をしていただきましたが、こちらは雨が平年よりも多いくらいで、イネは本当に元気です。イネはもともと亜熱帯原産の植物なので、暑くて雨の多いのが大好きです。むしろ、水不足の心配は太平洋側で起こっているみたいですね。地球温暖化という言葉も最近はほんとうに身近になりましたが、どこか遠い「地球」ではなくて、東京とか京都とか名古屋とか、そんなもっと身近な地名も出てきそうです。東京温暖化現象、京都熱ハウス、名古屋亜熱帯宣言。・・・う〜む、暑いですね。
　地球温暖化現象はまだまだ２０年は続くのだそうです。今年の暑い夏はどうやら、今年だけではないようです。
　気のせいかもしれませんが、今年は入道雲を見かけません。ワタ菓子のような、モクモクとしたあの雲です。あの入道雲とセミとスイカが、私の頭の中の夏の風物詩なのですけれども、セミとスイカは身近にたくさんありますが、入道雲は今年はあまり見かけないような気がします。田んぼで仕事をしていて、あの真っ白い入道雲が、黒くなりながら近づいてくると、かみなりと夕立のサインです。あのバケツをひっくり返したような夕立にあたると、パンツの中はもちろん軽トラの中まで水浸しになりますので、気をつけなければなりません。だから、空の動き、大気の流れを見るのは、日常の段取りの一環です。
　どうして入道雲が少ないのか、上空の空気の流れがいつもと変わっているせいなのか、さらには地球温暖化現象と関係があるのか、それはわかりません。まあ、私なんかに分かりっこありませんが。もっといえば、単なる気のせいかもしれませんしね。
　「ポワワワワ〜ンン」　また犬が鳴いています。