2001年1月

「自然の色」

 ラー ♪ラーラララララーラ、ララーラララララー♪(北の国からのテーマ曲を流してください)
 今、窓の外は地吹雪。突風の吹く、真っ白い世界です。 
 ♪ララララーラララララーラ 平原のような田んぼの上を、真っ白な雪雲が猛スピードで滑っていきます。
 年が変わっても新世紀になっても、少しも変わらないものがそこにあります。そこというか、窓の外にあります。部屋の中は、石油ストーブがたかれ、CDから音楽が鳴り、コンピューターで世界中にアクセスできる、そんな21世紀のはじめ。窓の外の吹雪は、おそらく100年前と1000年前と変わらない、厳しい吹雪です。たぶん、寒くて冷たい同じ冬です。
 現代は、窓に雪よけの囲い板がはめ込んであるので隙間からのぞきこむような格好ですが、薄暗い室内からは戸外の白のまぶしさが目に痛いほどです。自然のもつ色は不思議ですね。白でもなく灰色でもなく銀色でもなく、微妙なグラデーションが広がっています。厳しく、でも純粋に美しい風景です。
 日本には自然自体がもつ色がたくさんあると聞いたことがあります。例えば、緑色を表す言葉などはよその国の言葉よりもたくさんあるのだそうです。自然が豊かで、天然色が豊富なせいだと思います。木の芽吹きの頃の色、緑の濃い新緑、秋深まった紅葉の色など、数えたらきりがありません。独特の美しい色がたくさんあります。
 21世紀になりました。そんな美しい色を、素晴らしい自然を、これから21世紀も味わっていけたらと思います。間違いなく20世紀は自然破壊の時代でした。確かに便利になりました。快適になりました。農業の世界でも50年前の農業とは大違いです。でも、これからは自然と仲良く共生していく、そんな時代です。50年前の農業に後戻りすることはできませんし、私達は今の時代でできることを考えなければなりません。かけがえのない大自然と自分達のために。一介の農民として、大したことができるわけもありませんが、少しずつ、できることからやっていきたいと思います。環境にやさしく、人にやさしく、あらためて原点から再出発です。





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