2000年10月

「新米です。どうぞよろしく」

 お待たせいたしました。この秋の新米をお届けしております。
 今年のおコメは、品質と味の両面で、高い評価を各方面からいただいております。ここ何年かでは最も良い出来です。やっぱり、うれしいですね。そう、これは一年間やってきた私自身の「成果」ですから。それも大地や天気、大自然との格闘の「結果」ですから。
 おいしいですよと言われると本当にうれしくなります。おだてられると、けっこう図にのるタイプです、ヘヘヘ。
 そう、新米はお茶碗に盛ったときからして、違うのです。見た目のツヤ、やわらかい湯気。一粒一粒がピカピカと光っています。ほおばったときの甘い香り。モチモチとした食感。たまりませんねえ。言葉不足で、上手に言いあらわすことが出来ませんが、なんとも言えず、いいものです。
 新米は季節感の乏しくなった現代の食生活の中で、数少ない「旬」を感じる食べ物のひとつです。新米はまだですか、新米はいつ頃できますか、と先月は、たくさんの問い合わせをいただきました。新米、新米、と秋の味覚を心待ちにする感覚は、(生産者である私も含めて)どこか独特なものだなあと改めて思います。
 聞くところによれば、同じコメを主食にする人たちでも、東南アジアなどでは新米をそれほど特別視しないといいます。ところ変われば品変わるでしょうか、倉庫で寝かせて、わざわざ古米にしてから売るのだそうです。そのほうが高く売れるのだとか・・・・。それにしても、わざわざ古米にしてからとは、ビックリしますね。食べ方の違いかもしれません。秋になって、新米を食べる瞬間のあの感激を知らないとすれば、もったいない話ですね。季節感を愛してやまない日本人だからそう思うのでしょうか。
 日本では、そもそも「新米」という言葉があちこちにあります。新米という言葉には秋に取れた新しいおコメというだけでなく、青二才が一生懸命頑張っている、そんなニュアンスもあります。テレビドラマの推理ものには「新米刑事」なんていうタイトルがありますし、温泉旅館への取材は「新米おかみ奮闘記」となります。
 
 では、改めて自己紹介。
 「はじめまして、新米です。どうぞよろしく」

 食欲の秋、日本の食文化の真髄を存分にご堪能ください!

 

 



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