2000年4月
「イチゴ畑よ、永遠に」
ビートルズの『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』(イチゴ畑よ、永遠に)という曲が好きです。曲の中に出てくるイチゴ畑が、実在する本物の畑か、それとも架空の想像上のものなのかは、知りません。ただ曲を聴く側のイメージでは、明るい、暖かい、夢のような、やわらかい空間がそこにはあります。
桃源郷・・・・まさにそんな感じです。
イギリス人であるジョン・レノンにとって、田園の広がる風景は、美しいものだったのかもしれません。誰もが持っている子供時代の甘い記憶。ふるさとのふんわりとしたイメージ。忘れたくない、でも失われつつあって、なくしてしまいそうな何か、遠く離れていってしまいそうな何か、が伝わってきます。東洋人と西洋人のイメージする農村は、全く違うものだと思いますが、懐かしくてどこか切ない、その思いは共通なのかもしれません。
音楽っていいですよね。言葉では伝わりにくいことでも、音楽だと簡単に共感できてしまいます。ジョン・レノンの頭の中にあるイチゴ畑が、どんなものだったのか、想像することが出来ます。楽しいことです。
さて、農作業の中には水の見回り、田んぼの移動、資材の運搬、と軽トラに乗っている時間が結構ありまして、軽トラの中ではラジオは鳴りっぱなしです。あぜのすぐそばで仕事をするときなどは、エンジンは止めてもラジオは止めない! ですから、音楽はいつでもそばにあります。私のなかで農業と音楽は、切っても切り離せません。この地域は、受信できるラジオ局が少なく、お好みの番組を選べないのが玉にキズですが、それでも時折、カーラジオから自分の好きな曲が流れてくると思わず、ボリュームを上げてしまう・・・・田んぼのまん中の軽トラであります!
音楽と農作業の話で思い出しました。おもしろい実験があります。とある農園では、ビニールハウス内の観葉植物に音楽を聴かせています。また、日本酒を作る酒蔵にも、蔵の中にクラシックを流し、それを「音楽醸造」というふれこみで仕込んでいるところがあります。植物にも音楽を。こうじ菌にも音楽を。おもしろい試みだと思いませんか。私はこういうアイデア、大好きです。
田んぼは広すぎるので、成育中のイネに音楽を聴かせようとしたら、でもちょっと大変ですね。同じことをするためには、選挙用の宣伝カーでも持ってきて大音量でやらなければなりません。イネもびっくり、周りの人はもっとびっくり。
私は
田んぼのまん中で
歌を
うたいます。
いつも
歌をうたいます。
私が数年前に作った詩です。音楽と田んぼは仲良しです。
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