1999年2月

「ちょっとカタイ話」

「新農業基本法」

よいよこの国会で、21世紀の日本農業の進路を決める「新農業基本法」が成立します。スケジュール的には、予算審議のあとなので3月以降になる見込みですが、法律として制定されるのは間違いありません。どんなものになるのか、注目しています。

農業の「憲法」とも呼ばれる「農業基本法」、全面改定は約40年ぶり。昭和30年代、高度経済成長の時代に作られ、その後、放っておかれたのです。実に長いこと待たされたものです。2〜3年でモデルチェンジをする欧米の農業政策とは大違いで、農業後進国とレッテルを貼られても仕方ありません。(欧米先進国はほとんど、農業分野でも先進国であります)

これまで日本農業は、とにかく「量」を作ろう、とにかく「安く」作ろうとやってきたわけですが、ご存じのように衰退の一途でありました。百パーセント近かった食糧自給率も40%にまで低下、30年も続く強制減反で農地は荒廃していくばかりです。これでいいのか、これからはどうなるんだ、というのが今「農業基本法」を考えるきっかけになっています。

食べ物の安全性、国民の健康、有事の際の食糧問題、農村の美観、環境、国土保全。
忘れてはいけないことばかりです。農業には食糧生産だけでなく、多面的な機能もあって、世界的な流れの中で、今それが見直されているのだと思います。 日本から農業がなくなってしまうとどういう状況になるのかを、みんなが考え始めたということでしょう。ただ、国会での議論が国民全体をまきこんでの大きなものにまでは、なりそうもないのが、残念と言えば残念です。(前回は大議論があったそうですね。)

 同時に、コメの輸入自由化もまもなく始まります。5年ほど前まで「一粒たりとも輸入しない。コメは聖域なのだ」とまで言われていましたが、時代の流れです。消費者にとっては選択の幅が広がり、生産者にとっては激しい競争にさらされる、転換期になりましょう。

 しかし私は、そう悲観してはおりません。これまでも牛肉・オレンジ・リンゴなど多くのものが自由化されましたが、松阪牛、愛媛ミカン、信州リンゴなどは、相も変わらずトップブランドの地位を保っています。本当においしいと評価されるものと輸入農産物とは、そもそも上がる土俵が違うということでしょう。

 ですから私も、技術を追求し精進していけば大丈夫と確信しております。とにかく安全でおいしい物を作ることです。応援よろしくお願いします。

 



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